<< [街森]グレースの出現条件は相変わらず不明のまま? | main | 「しまむらーセラ」 >>

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - |

『セブン-イレブンの仕事術』

 『商売で大事なことは全部セブン‐イレブンで学んだ』の著者が書いた、セブンイレブン体験記。
 ノンフィクションではなく「フィクション」だそうです。
 そうだよね、そういうことにしておかないとマズイよね(笑)

 タイトルに「仕事術」とはありますが、ノウハウやテクニックを解説した実用本ではありません。
 物語として読めます。

 熱いです。
 真正面から仕事に取り組む人の本気が見えます。


 ただし。
 元セブン社員の書いた本なので当然と言えば当然なのですが、かなりセブンに好意的な方に偏っています。
 これを読んで、単純に「セブン-イレブンって素晴らしい! セブン万歳!!」と思ってしまうのは危険かと。

 これだけセブン愛に溢れた文章でありながら、読んでいるうちにだんだんセブン-イレブンが嫌いになっていきました。
 (元々セブン本部に対する印象はよくなかったけど)
 商品は素晴らしいし、各店舗には頑張ってほしい。
 お店は好きなのでよく利用します。
 でも本部は嫌いです。やり方が最低。

 たとえば、わざと加盟店に与える商品情報を絞って、加盟店と本部社員が持つ情報量を非対称にする。
 こうすることで本部>加盟店の力関係を不動のものにしようとするテクニック。
 さらりと書いてあったけど、とんでもないやり方だと思いますよ。
 粗利の半分を持っていく高額なチャージに対しては「それに見合うだけの経営指導を提供している」と言いながら、ですからね。
 同じ本に書かれたこの矛盾に、著者は気付いているのでしょうか?

 他にも、あまりに高額なチャージとか、わかりにくいオープンアカウント制とか……
 これに対する批判が全くなされていないどころか、そうあって当然と言わんばかりの書き方。
 こういうセブン寄りな面は差し引いて読んでいく必要があると思います。

 確かにね、前著を読めば、そしてこの本を読めば、「単品管理」が強いことはわかりますよ。
 でも、それを推し進めるのに、この本に書かれるような組織のあり方でなければならないのでしょうかね?
 そうでなければならない、というふうに書かれてはいますが……
 セブンの方針の一つとして「うちの個性的な社風になじめない者は辞めろ」と書かれていますが、それなら私は速攻辞めてますね。(←それ以前に入社面接に通らないと思われ)

 これだけセブン礼賛の内容でありながら、セブンに対する反感を浮き上がらせるということは、問題点もしっかり描かれているということなんでしょうね。
 著者はその点意識していないんじゃないかと思いますけど。
 (あるいは意識した上でこの書き方なのか。だとしたらこの人天才かも)
 一方向からのセブン絶賛文なので、これだけでは不快感の正体ははっきりとは見えませんが……
 アンチセブン本を合わせて読んだ方がいいかもしれませんね。
 あるいは逆に、アンチセブン本を読んだ後のカウンターとして、この著者の2冊を読むのもいいと思います。セブンに対する理解が深まるのではないかと。


 逆に、感心したのは、セブン本部はオーナー店の従業員一人ひとりのこともよく見ているらしいこと。
 本の中には(仮名ですが)アルバイト・パート従業員の名前がフルネームで登場します。
 そして、著者はバイト君・パートさんとよく会話しています。
 問題店舗立て直しの糸口も、彼らと真剣に向き合った先にありました。

 私の知る限りですが、他チェーンのSVはバイト個人に無関心なことが多いように思います。
 バイトの名前なんかいちいち知らないんじゃないかな。
 末端のバイトもしっかりセブンの一員とみなして一人前に扱う姿勢は、他社も見習うべきかと。
 重要な仕事は任せない捨て駒……“所詮”を付けるような扱いをすれば、“所詮”と呼ばれるだけの働きしかしなくなるのは当然です。


 何より、著者の仕事に取り組む姿勢の熱いことといったら。
 こういう人と一緒に仕事したいなぁ、自分もこんな人から刺激ビリビリ受けたいなぁ、と思いましたよ。
 (でもセブンみたいな組織は勘弁・苦笑)
 自分の本気はきっと周りの人に伝わります。
 やる気のない人、腐ってしまった人、仕切る人、変わりたくない人……
 そんな人たちに対する処方箋は、自分が一生懸命であること。妥協なく必死に働く姿を見せること。
 本気でぶつかれば、職場の悪い空気もきっと変えていけるはず。

 ……でも、自分の力が及ぶ範囲は自分自身のこの肉体だけ。
 そこを忘れて他人を動かそうと無理すると、状況はよくならないと思います。私個人としては。
 あくまでも自分が動くこと、それが結果的に周囲に働きかけることになるのですよ。

 それと、内部不正の場合は見抜いて辞めさせるしかないようです。
 悪人を正す方法は書かれていませんでした。まぁそうだろうな。


 あーあ。学生のうちにでもセブンでバイトしておけばよかったかも。
 いや今からでもやろうと思えばできるけど……
 鈴木敏文氏率いる「セブン-イレブン」という組織は全く好きになれないけど、正直このスキルはほしい。
 末端のバイトじゃ中枢のことなんて全くわからないだろうけど、一度は現場を見てみたいものです。

 昔の人気はどこへやら、今ではコンビニバイトはすっかり敬遠されていますが、一度経験しておいて損はないと思うのですよ。
 私は他チェーンでのコンビニ経験者ですが、発注は一切任されたことがありませんでした。
 セブンだとバイトパート含めて全員に発注させる方針のお店が多いようなので(セブンバイト経験者の後輩も発注経験アリだとか)社会経験にはお勧めです。
 もちろんコンビニの仕事で一番ドラマチックな場面は接客なんだけど、商売するならやっぱり商品を見ないと。
 小売はそこが肝心だからなー。


 関連→『商売で大事なことは全部セブン‐イレブンで学んだ』(2009.11.14)
 この2冊、タイトル逆の方がよかったんじゃ……
| 本の話 | 23:36 | comments(0) | trackbacks(0) |

スポンサーサイト

| - | 23:36 | - | - |

コメント

コメントする










※半角英数のみのコメントは拒否されます。
※emailは無記入推奨。

トラックバック

この記事のトラックバックURL

http://srl.jugem.jp/trackback/600

※言及リンク必須。
 記事へのリンクのないトラックバックは受け付けません。